SNSが普及した現在では、マーケティング戦略においてSNSを駆使した発信が重要となっています。
マーケットインとプロダクトアウトはビジネス戦略を考えるうえで重要です。
マーケットインとプロダクトアウトどちらが正しい、優れているという単純な話ではなく、メリット・デメリットを理解したうえで使い分けすることがおすすめです。
オウンドメディアを強化し認知度を高めることにより、自社の商品やサービスをより多くの顧客へ届けることができます。
本記事ではオウンドメディアが伸びるための、マーケットインとプロダクトアウトについて解説します。
マーケットインとは

参照:写真AC
マーケットインとは、市場や顧客が求めているニーズを把握し、それに合わせて商品やサービスを開発・提供する考え方です。
市場調査や顧客調査を行い、顧客の不満や欲求に応える形で製品開発の起点とするアプローチのことです。
マーケットインの主な特徴
マーケットインの主な特徴は下記の5つになります。
| 特徴 | 内容 | 目的・効果 |
|---|---|---|
| 顧客起点 | 顧客のニーズや期待を出発点に発想・設計する | 顧客満足度の向上、ニーズに合った商品開発 |
| 市場調査の重視 | アンケートやインタビューなどで顧客の声を収集・分析する | 潜在ニーズや課題の把握、根拠ある意思決定 |
| 課題解決型 | 顧客の不満・困りごと・欲求を解消する製品やサービスを提供 | 問題解決による価値提供、信頼性の向上 |
| 競争市場での有効性 | 顧客満足・リピート率の向上により競合との差別化を図る | 激しい競争環境でも優位性を確保、ブランド強化 |
マーケットインのメリット、デメリット
マーケットインのメリット・デメリットは、簡単に説明すると下記の3つになります。
メリット
・顧客のニーズを反映できるため、満足度が高い
・競合他社との比較で、市場適応が早い
・新商品開発の失敗リスクが低い
デメリット
・差別化が難しく価格競争に陥りやすい
・顧客の声を重視しすぎるとありきたりな商品になりやすい
・革新的なイノベーションが生まれにくい
プロダクトアウトとは

参照:写真AC
企業が保有する技術やアイデア、または企業の思想や方針に基づいて製品を開発し、市場に投入する考え方です。
これは「自社が作りたいものを、良いものを作れば売れる」という考え方をベースにしており、企業が主体的に製品を開発する「製品ありき」の戦略です。
プロダクトアウトの主な特徴
プロダクトアウトの特徴は下記の4つになります。
| 特徴 | 内容 | 目的・効果 |
|---|---|---|
| 企業主導の製品開発 | 企業の技術・ノウハウ・アイデアを活かして製品を開発 | 自社の強みを反映した独自性の高い商品を創出 |
| 市場にない価値の創造 | 市場に存在しない画期的な商品を生み出し、新たな需要を創出 | ブルーオーシャンの開拓、新市場の創造 |
| イノベーションの促進 | 技術革新や独自性の追求により、他社との差別化が可能 | 技術的優位性の確保、ブランド力の強化 |
| 価格競争からの脱却 | 唯一無二の製品により価格競争に巻き込まれにくく、利益率を高められる可能性 | 高付加価値による収益性の向上、安売りからの脱却 |
プロダクトアウトのメリット、デメリット
プロダクトアウトのメリット・デメリットは、簡単に説明すると下記の3つになります。
メリット
・技術力や独自性を活かせる
・競合が少なく、市場をリードする可能性がある
・新しい価値を創造できるためブランド力が高まる
デメリット
・市場に受け入れられない可能性がある
・開発コストや時間がかかる
・ヒットすれば大きいが、失敗すれば損失も大きい
マーケットインとプロダクトアウトの違い

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各々の特徴をみると、マーケットインとプロダクトアウトの大きな違いは、出発点が「市場」か「自社」かということです。
マーケットインの場合は入念に市場や顧客のニーズ調査に時間をかけ、ニーズに寄り添った商品やサービスを提供します。
一方プロダクトアウトは、各会社の技術やアイデアによって生まれた革新的な商品やサービスを提供します。
マーケットイン、プロダクトアウトどっちが正しい?

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特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで、マーケットインとプロダクトアウトどっちが正しいのか判断するのは難しいですよね。
実はどちらも正解です。
各企業や職種などによって、向き・不向きもあります。
自社に合った方を使っていくことが必要です。
マーケットインが適している場合
①顧客のニーズが明確な市場
顧客ニーズが明確な市場はマーケットインが適しています。
それは、消費者の好みや流行が頻繁に変わるためです。
例えば化粧品やファッション、飲料などの市場が挙げられます。
企業が顧客の声を聞いて商品を作ることが成功のカギとなります。
②競合が多く、激しい市場
競合が多く激しい市場もマーケットインが適しています。技術や性能で差をつけにくい市場であり、同じような競合が多いためです。
飲料、コンビニ食品、家電などが挙げられます。
顧客のデータに基づき差別化することが効果的です。
③使いやすさや共感が重視される商品
日常的に使う物やサービスなどはマーケットインが適しています。
スマホアプリ、日用品などがその対象となります。
技術力よりも、顧客が使いやすく生活に寄り添ったものやサービスが価値になります。
④新規の市場開拓で消費者理解がカギになるもの
新規の市場で消費者理解がカギになる場合はマーケットインが適しています。
消費者の意見などを取り入れたうえでの商品開発が必要になるからです。
例えると、サブスクリプション、オンライン教育、ウェルネス関連などになります。
市場がまだ整っていない場合、最初から顧客と一緒に作り上げることが成功の近道になります。
⑤商品開発スピードが求められる場合
商品開発スピードが必要な物は特にマーケットインが適しています。
季節による商品ニーズの変化や、法改正や制度変更などに影響されるためです。
例えば、クリスマスやバレンタイン、夏フェスなどのイベント毎の商品などが当てはまります。
その時期により、トレンド商品なども入るため、顧客のニーズを敏感に察知し素早く展開することが必要です。
| マーケットインの成功事例 | |
|---|---|
| ・USJ | 「映画だけでなく、人気アニメも楽しみたい」というニーズに対応し、国内エンタメを積極的に導入したことにより、来場者数を大幅増加 |
| ・ルンバ | 「掃除の時間を減らしたい」ニーズに対応し、掃除の自動化を技術化・製品化 |
| ・ライザップ | 「続けられるダイエットがしたい」ニーズに対応し、短期集中型のダイエットプログラムで差別化顧客満足度を獲得 |
プロダクトアウトが適している場合
①技術革新を起こしたいとき
技術による革新を起こしたい場合は、プロダクトアウトが適しています。
なぜなら、企業独自の技術やアイデアを活かすことができるからです。
まだ市場に存在しない革新的な製品を生み出すことで、新たな価値が産まれます。
②高い専門技術や研究開発力が強みの企業
専門技術や開発力を全面的に活かしていきたい場合は、プロダクトアウトが適しています。
技術者の創造性を活かしやすく、研究開発力を十分に発揮できます。
研究開発型・製造業・医薬業などに多くみられます。
③顧客がニーズを自覚していない市場
ニーズを自覚していない市場では、プロダクトアウトが適しています。
潜在的なニーズを掘り起こすことで、新しい価値を提供できます。
④既存の顧客ニーズに基づく発想では差別化が難しい場合
既存のニーズに基づくと、差別化が難しい場合はプロダクトアウトが適しています。
従来の市場の声では革新的なアイデアが生まれにくい時に、プロダクトアウトの概念で新しい視点を生み出しやすくなります。
⑤ブランドや独自世界観を重視する場合
ブランドなど独自の世界観を重視する場合も、プロダクトアウトが適しています。
なぜなら、ブランド力と世界観を維持したうえでトレンドに流されず、「自社の哲学」や「美学」を貫くためです。
顧客ニーズよりも企業の理想や世界観を重視した製品設計が可能であり、その世界観を売りにしていきます。
| プロダクトアウトの成功事例 | |
|---|---|
| • AppleのiPhone | ユーザーの声ではなく「こういう世界を作りたい」というビジョンから誕生 |
| • Dysonの掃除機 | 技術主導(吸引力など)で差別化された製品を開発。 |
| • 任天堂のゲーム機 | 独自性(家でも外でも遊べる)を重視した製品設計で市場を牽引 |
ハイブリッドが適している場合
①顧客ニーズが明確だが、差別化が難しい市場
顧客のニーズは明確だが、差別化が難しい市場ではハイブリットが適しています。
ニーズに沿いつつも「他社にはない強み」で、ニーズ対応と差別化の両立が可能です。
②ブランドの価値を維持しつつ、顧客満足度を上げたい場合
ブランドを維持しつつ満足度を上げたい場合も、ハイブリットが適しています。
一貫性と柔軟性を両立し、既存の顧客の満足度を上げつつ新規顧客の獲得ができます。
③顧客ニーズが多様・変化が激しい業界
ニーズが多様・変化が激しい業界では、ハイブリッドが適しています。
変化の早い分野では、市場の声だけに頼ると遅れやすいためです。
マーケットインで方向性を見極め、プロダクトアウトでスピーディーに対応することが重要です。
④新市場への参入・創造をしたいとき
新市場への参入は、ハイブリットが適しています。
顧客の潜在ニーズを掘りおこし、技術やアイデアで新しい価値を提示することにより市場創造と顧客獲得を同時に実現できます。
⑤長期的な研究・技術投資をしながら市場適応もしたいとき
長期にわたる研究をしながら市場に適応したい時は、ハイブリットが適しています。
医療や環境分野でよく使われます。
技術開発をすすめつつ、顧客のライフスタイルの変化に随時対応していくことが必要です。
マーケットイン、プロダクトアウトを実践するポイント

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ここまでマーケットインとプロダクトアウトについて、メリット・デメリットを説明してきました。
以上を踏まえたうえで、実践のポイントについて説明していきます。
実践時のポイントを抑えておくことで、成果が大きく変わります。
マーケットイン実践のポイント
・顧客のニーズを調査し徹底的に深掘りしていく
・ニーズ把握のためのデータをどのようにしてそのデータに至ったのかを考察する
・スピードと柔軟性をもち、試作と検証を繰り返す
・顧客体験を重視する
プロダクトアウト実際のポイント
・独自の強みを明確にする
・潜在ニーズや新しい価値を提案していく
・商品ブランドのストーリーを統一、一貫する
・技術や、デザインを深掘り差別化する
マーケットインとプロダクトアウトの使い分け
マーケットイン・プロダクトアウトのそれぞれのポイントを理解した上でハイブリット型での戦略も増えてきています。
マーケットインでニーズを捉えながら、プロダクトアウトで独自性を加えていくことにより、他社にはない価値を提供することで競争を優位にすすめることができるようになります。
SNSにおけるマーケットインとプロダクトアウト

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現在は自社の商品やサービスを発信するツールとして、SNSが有効となっています。
どのSNSを利用するにしても、マーケットインとプロダクトアウトを理解した上での発信をするのとしないのとでは、結果は大きく違ってくるはずです。
それぞれの特徴やメリット、ポイントを押さえた上で取り組んでみましょう。
マーケットイン型SNS運用
マーケットイン型は、ユーザーが求めている情報・体験を中心に発信することです。
「どんなデザインが好き?」など、ユーザーの好みを反映した商品開発に有利です。
しかし、SNSでは流行の動きが早く、年代などによりニーズにもばらつきが産まれることもあるため、スピーディーなニーズ深掘り・商品開発・発信が必要となっていきます。
メリット: エンゲージメントを獲得しやすい、拡散力あり
プロダクトアウト型SNS運用
プロダクトアウト型は、ブランドやサービスの特徴を「企業目線」で発信することです。
商品力が強い場合や、ブランド認知がすでにある場合は、プロダクトアウト目線での発信がとくに有効です。
しかし、SNSではユーザー・企業間の双方向性が求められることが多いため、限界があります。
メリット:独自性やイノベーションが産まれやすい。ユーザーとしては、他にはない独自の体験ができコアな仲間と繋がれること
ハイブリッド型SNS運用
現在の代表的なSNS、Instagram・X・TikTokも、当初はプロダクトアウト型としてリリースされていました。
その後、ユーザー目線に立ったリールやハッシュタグ、スペースなどマーケットイン型も取り入れています。
メディアを強くするためには、SNSの発信は重要視されます。
初期のSNSは、まず自社のサービスや商品を広く認知してもらうことから始まります。
ブランド力を高め、製品の独自性を発信(プロダクトアウト)し、その後製品ユーザーからの意見や、非ユーザーなどの意見を取り入れたうえでの発信(マーケットイン)をしていくことが重要です。
まとめ

参照:写真AC
マーケットインとプロダクトアウトでは起点や目的が違います。
自社の強みをどの方法であれば十分にユーザーに届けることができるか、が重要になります。
商品やサービスに合った方法を選択していくことが必要ですが、決して1つに絞る必要はありません。
マーケットインとプロダクトアウトを考え、どちらも選択・実践していくと、オウンドメディアは成長していきます。
自社の発展のためにも積極的に考慮し、取り組んでみてください。

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