「ペルソナ」という言葉をビジネスやマーケティングの文脈で耳にする機会は増えてきましたが、その意味や活用方法を正しく理解できていない方も多いでしょう。
この記事では、「ペルソナ」の基本的な意味から注意点まで、初心者でもわかりやすく解説していきます。
ペルソナとは?

ペルソナ(persona)とは元々ラテン語で「仮面」「人格」を意味し、ビジネスやマーケティングにおいては、商品やサービスを届けたい「理想の顧客像(人物像)」を指します。
具体的には、以下のような詳細なプロフィールを設定することで、実在するかのような顧客像を作ります。
・年齢
・性別
・職業
・年収
・ライフスタイル
・価値観
・悩み
・目標 など
また、ターゲットという言葉も同じような場面でよく用いられます。
どちらも「顧客像」を表す用語ですが、意味や使い方には明確な違いがあります。
以下がペルソナとターゲットの違いと具体例です。
【ペルソナ】
ターゲット層の中から代表的な「一人の架空の人物」を具体的に設定したもの
・名前:田中花子
・年齢:34歳
・家族構成:夫と小学生の娘2人
・居住地:東京都郊外
・職業:パート勤務(事務)
・趣味:料理、子育てブログ
・悩み:子育てと仕事の両立
【ターゲット】
商品やサービスを届けたい層(グループ)を意味し、年齢・性別・職業など、統計的な情報を基にした大まかな属性のこと
・20代男性 会社員
ペルソナを設定する理由

ペルソナを設定することで、マーケティングをより効率的に行うことができます。
ここではペルソナを設定する理由を3つ紹介します。
ターゲットを明確にする
ペルソナを設定する理由の1つは、狙うべき顧客像(ターゲット)が明確になるためです。
「誰に向けての商品なのか」が曖昧なターゲティングでは、誰の心にも響かない商品やサービスになってしまいがちです。
そこで、ターゲットを明確にすることで、以下の判断がしやすくなります。
・どんな言葉で請求すれば響くのか
・どんな画像や構成が刺さるのか
・どのSNSで発信すれば届きやすいのか
そして、マーケティングやコンテンツ作成の方向性が定まり、ユーザーに刺さる施策が実現できるのです。
ユーザー目線で考える
ペルソナを設定する理由の2つ目は、ユーザー目線で考えることができるためです。
ペルソナを考える過程では、ユーザーの生活背景や価値観を考え、課題やニーズ・行動パターンを深く理解する必要があります。
企業側の視点ではなく、ユーザー視点に立った施策が打てるようになり、より効果的なアプローチが可能になります。
ユーザーの意思決定を促進する
ユーザーの意思決定を促進できる点も、ペルソナを設定する理由の1つです。
明確なペルソナを想定してコンテンツを作ることで、ターゲットの共感を得やすくなり、「この商品は自分のためのものだ」と感じてもらいやすくなります。
その結果、購入や申込みなどの意思決定を後押しすることができます。
ペルソナを設定するメリット

ペルソナを設定することには多くのメリットがあります。
今回は、3つの観点に絞って紹介していきます。
作業の効率化できる
ペルソナを設定することで、マーケティングにおける様々な作業の効率が格段に向上します。
なぜなら、ターゲットが明確になることで判断基準が一貫し、ブレのない施策が打てるようになるからです。
より具体的に設定することにより、関係者間の認識のズレを防ぐことができます。
また意思決定がスピーディーかつ合理的になり、結果として無駄な工数や修正の手間を減らすことができます。
ユーザーの理解を深める
ペルソナを設計する過程では、実際のユーザーインタビューやアンケートなどを通じて情報を収集します。
これにより、ユーザーがどんな生活をし、どんなことに不安や不満を感じているのか、課題や要望を深く理解することができます。
そして的確な解決策を提供できるようになり、ユーザーにとって本当に価値のあるサービス提供が可能になります。
商品の訴求力を高める
ペルソナを設定する最大のメリットの1つは、商品の訴求力が格段に高まることです。
ペルソナは、単なる属性の情報だけでなく、その人が抱える悩みや価値観、行動パターンまで具体的に描かれています。
そのため、よりユーザーの「心に刺さる」訴求が可能になります。
【ペルソナ】
仕事が忙しく、自炊の時間がない20代男性
【施策】
・「時短で栄養が取れる」「電子レンジで3分」というキャッチコピー
・忙しそうな男性がくつろいでいるクリエイティブ
このように、ユーザーは「これは私のための商品だ」と直感的に感じ、共感と関心を得やすくなります。
また、こうしたペルソナに合わせた訴求を行うことで、クリック率(CTP)やコンバージョン率の向上にも繋がります。
ペルソナを設定するデメリット
ペルソナを設定することは、メリットもあればデメリットもあります。
ここでは、ペルソナを設定するデメリットを2つ解説します。
時間とコストがかかる
ペルソナを設定するデメリットは、時間とコストがかかる点です。
精度の高いペルソナを作成するには、ユーザーインタビューや市場調査、アンケートなど、様々なデータを収集・分析する作業が必要になります。
特に「なんとなくこういう人がターゲットかな?」という感覚的な設定では意味がなく、実際の顧客データやユーザーの声に基づいて具体的かつリアルな人物像を作り上げる必要があります。
このプロセスには当然、時間と労力、そして場合によっては外部リサーチ会社に依頼するための費用など、一定のコストがかかってきます。
そのため「早く施策を回したい」と考えるチームにとっては、最初の段階でペルソナ設定に手間をかけることがハードルに感じられるかもしれません。
しかし、ここでしっかりと時間をかけておくことで、後の施策(広告、コンテンツ、商品設計など)でのブレや無駄が減り、結果的に長期的にはコスト削減につながるという考え方も重要です。
ターゲットを限定してしまう
ペルソナを設定するデメリットは、ターゲットを限定してしまう点です。
ペルソナは、たった一人の顧客像にフォーカスして深掘りしていく手法です。
そのため、設定したペルソナに近いユーザーには強く響く一方で、それ以外の層に対するアプローチが手薄になってしまうリスクもあります。
実際の顧客はペルソナ通りの人物ばかりではないため、過度にターゲットを狭めすぎることで市場のチャンスを減らしてしまうことにもなりかねません。
対策としては、ペルソナはあくまで「代表例」と捉え、複数のパターン(サブペルソナ)を用意すること、実際の反応を見ながら柔軟に調整することが有効です。
ペルソナを設定する際の注意点

ここでは、ペルソナを設定する際の注意点を3つご紹介します。
理想像を作らない
注意点の1つ目は、理想像を作らないことです。
ペルソナを作成する際にありがちなのが、企業側が「こういう人に買ってほしい」「こうだったらいいな」と考える理想像をベースにしてしまうことです。
“理想の顧客”をペルソナとして設定してしまうと、実際のユーザーとのギャップが生じてしまい、マーケティング施策の方向性がずれてしまうリスクがあります。
ペルソナは、企業の願望ではなく、あくまで「実際に存在しそうな人物」をもとに設計することが大切です。
そのためには、以下を通してリアルなデータに基づいて人物像を組み立てていく必要があります。
・ユーザーインタビュー
・アンケート
・SNSの声
・購入履歴 など
必要な情報を選別する
2つ目の注意点は、必要な情報を選別することです。
ペルソナの設定項目は多岐にわたりますが、全てを網羅する必要はありません。
自社の商品やサービスにとって重要な情報を選別して設定することで、より実用的なペルソナが作れます。
目的に応じて必要な情報だけを精査し、シンプルで使いやすい形にまとめましょう。
定期的にアップデートする
ペルソナを定期的にアップデートすることも、ペルソナ設定の注意点の1つです。
市場やユーザーのニーズは常に変化しています。
作成したペルソナも定期的に見直し、時代やトレンドに合った形にアップデートしていくことが大切です。
アップデートするタイミング例は以下の通りです。
・半年ごとに見直し(特にSNSを活用している場合はスピード感が大事)
・商品やサービスをリニューアルしたとき
・アンケートや顧客の声を集めたタイミング
・新たなマーケティング施策を始める前
ターゲットやニーズに応じて最適なペルソナに調整していきましょう。
まとめ

「ペルソナ」とは、単なるターゲット層以上に具体的な顧客像を描くマーケティング手法です。
しっかりと設定することで、ユーザーに寄り添った施策が実行でき、ビジネスの成果にも大きく貢献します。
ただし、ペルソナはあくまで「仮説」であることも忘れてはいけません。
ユーザーの反応を見ながら柔軟に修正・更新していくことが成功への近道です。
ビジネスでペルソナを正しく活用し、より効果的なマーケティング戦略を実現しましょう!


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