老後資金はいくら必要なの?ライフプラン別にわかりやすく解説

老後を考えた時、「老後にはいくらお金がかかるのか」と悩みを抱える方がいるのも少なくありません。長寿化が進み、「人生100年時代」と言われている昨今では特に意識するのではないでしょうか。

この記事では、老後に必要となる資金の内訳詳細や対策方法をわかりやすく解説していきます。
将来の自分自身のために、ぜひ参考にしてみてください。

老後資金はいくら必要と言われているのか

参照 : photo AC

厚生労働省の「令和6年度簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳で、平成12年(2000年)の平均寿命より3-4歳も上昇しています。

厚生労働省|令和6年度簡易生命表の概況

更に女性に至っては85歳を超えているのが現状です。

平均寿命が伸びていることにより、従来なら安心して暮らすことができたであろう老後資金であっても、不足してしまう可能性があります。

そのため、必要となる老後資金を詳しく見ていきましょう。

老後資金の平均額

65歳までに必要な老後資金の平均は、ライフプラン別に以下のようになります。

夫婦:約2,000万-3,000万円
独身:約1,500万円
平均:約2,370万円

これはゆとりある老後の生活や賃貸暮らし、そして介護費等を考慮した金額となっています。

しかし、厚生労働省が2022年に発表した「国民生活基礎調査の概況」によると、平均貯蓄額は高齢者世帯(65歳以上)で1,604万円、高齢者世帯以外の世帯で1248万円、さらに児童のいる世帯は1029万円と老後資金が十分に備わっていない結果となっています。

そのため、今のうちから老後資金について真剣に考え、十分に計画を立てることが必要です。

厚生労働省|国民生活基礎調査の概況

「老後2000万円問題」は本当?

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老後資金についてよく耳にするのが「老後2000万円問題」です。

ただし、この金額は金融庁の報告書に基づいたモデルケースであり、「男性65歳以上、女性60歳以上の持ち家の夫婦が健康な生活を30年続けた場合」です。

この額は必要最低限の金額であるため、余裕を持った暮らしをしたい人や独身世帯の人には必ずしも当てはまりません。

よって、「国民全員が2000万円不足する」というわけでも、「国民全員が2000万円あれば生活できる」わけでもありません。

ただし、老後資金の準備が必要であるという警鐘なのは事実であり、その意味で「老後2000万円問題」は本当と言えるかもしれません。

ライフスタイルの変化や経済状況により、将来必要となる金額は変動します。

そのため、自分自身の資産状況を適切に理解し、長期的な資産形成をスタートさせることが重要となります。

ライフプラン別|老後の平均的な生活費は?

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老後に必要となる金額の目安はある程度把握できたと思いますが、実際にどのような費用がかかるのか気になりますよね。

そこで、ライフプラン別に必要となる費用とその金額を紹介します。

独身の場合の平均的な支出内訳

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総務省の「家計調査報告」によると、65歳以上の単身世帯の生活費は約15万円/月となっています。

総務省|家計調査報告 (2023年度)

費用金額 [円]割合 [%]
食費43,15128.97
住居費12,0418.09
光熱費13,1578.83
家具6,4414.32
衣服3,0262.03
医療費8,5385,73
交通・通信費16,52211.09
娯楽15,99110.73
その他30,11220.21
合計148,979100

内訳は上記のようになっており、「食費」・「交通・通信費」・「娯楽」で全体の50%を占めていることが分かります。

近年の物価高を考慮すると、約1.5倍の22.5万円は見積もっておくのが良いかもしれません。

夫婦2人世帯の平均的な支出内訳

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独身世帯では、月15万円の生活費が必要であることが分かりました。では、夫婦二人世帯ではどうでしょうか?

こちらについても総務省の「家計調査報告」のデータ(二人以上の世帯)を参考にすると、約29万円/月が必要な生活費となっています。

総務省|家計調査報告 (2023年度)

費用金額 [円]割合 [%]
食費86,55429.45
住居18,0136.14
光熱費23,8558.11
家具12,3754.21
衣服9,6443.28
医療費14,7265.00
交通・通信費42,83814.57
教育費10,4483.55
娯楽29,76510.12
その他45,77715.57
合計293,997100

内訳を見てみると、独身世帯と似たような割合となっており、食費や交通・通信費を節約することで月の生活費を抑えることができます。

食費や交通・通信費の節約は携帯キャリアを格安SIMに乗り換えることや業務スーパーをうまく活用することが一番効果的でしょう。

ライフプラン別|必要となる資金のシミュレーション

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前章ではライフプラン別に必要となる生活費を説明してきました。

ここからはより詳細な必要資金を実際にシミュレーションしてみましょう。

独身の場合の必要な老後資金

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独身世帯に必要な生活費を踏まえて、65歳以上で必要となる老後資金を計算してみましょう。

年金を考慮し、毎年の生活費の不足額は36万円、そこにプラスして自身の介護にかかる費用約550万円、住宅の劣化に伴うリフォーム費用約500万円、冠婚葬祭の平均費用約250万円として計算します。

日本の平均寿命が男性81.09歳、女性87.13歳であるため、必要な老後資金は、

◎男性:1879.24万円 (年金を除くと4196.2万円)

◎女性:2097.04万円 (年金を除くと5283.4万円)

となります。

目安ではありますが、前もって資金を準備しておくことの重要性が伺えます。

夫婦2人世帯の必要な老後資金

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夫婦2人世帯で必要になる老後資金をシミュレーションしてみましょう。

会社員の夫と専業主婦の妻を想定して計算していきます。

前章で生活費が29万円/月かかるのに対して、年金受給額は約20.1万円のため、毎月9万円が不足します。

さらに介護にかかる費用約550万円/人、住宅の劣化に伴うリフォーム費用約500万円、冠婚葬祭の平均費用約250万円と男女の平均寿命を考慮すると、必要な老後資金は以下になります。

夫婦(会社員+専業主婦):3722.78万円(年金を除くと8500.28万円)

夫婦では単身世帯の約2倍の金額が必要になります。

さらに、病気やケガ、子供や孫にかかる費用が加わるとさらなる資金を貯蓄しておかなければなりません。

ライフプランは時間の経過とともに変化していくため、定期的な見直しを行っていきましょう。

老後資金のシミュレーションをサイト上で行うことができるので、ぜひ試してみてください。

老後資金シミュレーション|JAバンク

今からできる老後資金の準備

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老後の生活資金を不足させないようにするには余裕を持った準備をすることが重要となってきます。

ここでは、今からできる老後資金の準備方法を2つ紹介します。

・貯蓄を開始する
・資産運用を行う

貯蓄を開始する

誰でも簡単にすぐ始められるのが「貯蓄」です。

老後資金のために貯蓄を早く始めれば始めるほど月々の負担は軽くなります。

貯蓄は、給料日になったら決めた額を老後資金用の口座に移し替えて管理を行う「先取り貯金」がおすすめです。

ただし、老後の心配をしすぎてしまい、今の時間を楽しめなくならないように無理のない金額で少しづつ開始していきましょう。

資産運用を行う

老後資金を効率的に貯めたい方には資産運用が適しています。

注意点として、元本保証ではないものも存在するため、必ず利益が出る保証はないことが挙げられます。

具体的な資産運用の方法について、以下の2つを紹介します。

⚪︎NISAやiDeCo等の投資信託を利用する
⚪︎個人年金保険に加入する

⚪︎NISAやiDeCo等の投資信託を利用する

投資信託は、多くの投資家から集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが株式や債券、不動産などに投資・運用し、その成果を投資家に分配する仕組みで、初心者でも始めやすい金融商品です。

通常の投資信託では売却益や分配金には約20%の税金がかかりますが、NISAiDeCoを利用すると一切かかりません。

NISAは、売却益や配当金、分配金が非課税となり、少額(月1,000円)から始めることができます。

いつでも引き出しが可能で、税金の計算や申告などの面倒な手続きも不要です。

iDeCoは自分自身で掛金を拠出して、選んだ金融商品で運用しながら老後資金を備える私的年金制度で、原則60歳以降にお金を受け取ることができるようになります。

税制上の強力なメリットがあるため、効率的に老後資金を貯めることができるのが魅力です。

NISA、iDeCoともに税制上のメリットが大きいため、効率的に老後資金の備えが可能となる制度です。ぜひ、活用を検討してみてください。

⚪︎個人年金保険に加入する

個人年金保険は、契約時に定めた年齢になると一定期間もしくは終身で、お金を受け取ることができる年金形式の商品です。

公的年金にプラスして受け取ることができるため、老後の収入を賄うことができます。

様々な保険会社で用意されているサービスですので、チェックしてみてください。

りそな銀行|個人年金保険

こくみん共済Coop|ねんきん共済(個人年金共済)

日本生命保険相互会社|ニッセイ みらいのカタチ 年金保険

まとめ

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本記事で紹介した必要となる老後資金の把握とその準備を今のうちから行っていけば、老後資金の貯蓄は決して難しくありません。

まずは、自分自身のライフプランに合わせた老後資金を試算し、計画的に資産の構築を行っていきましょう。

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