【2025年最新】人材不足が深刻な業界ランキング|原因と企業が取るべき対策を徹底解説

日本では少子高齢化の進行により、多くの業界で人材不足が深刻な問題となっています。

帝国データバンクの調査によると、2025年1月時点で正社員の人手不足を感じている企業は53.4%に達し、コロナ禍以降で過去最高を記録しました。

さらに、人手不足を原因とする倒産は2024年に342件発生し、過去最多を更新しています。

本記事では、人材不足が特に深刻な業界の最新ランキングを紹介するとともに、業界ごとの課題や背景、そして企業が取るべき具体的な対策について詳しく解説します。

日本における人材不足の現状

参照:写真AC

日本では近年、さまざまな業界で人材不足が深刻な課題となっています。

少子高齢化による労働人口の減少に加え、働き方の多様化や産業構造の変化により、企業が必要とする人材を確保することがますます難しくなっています。

ここでは、日本における人材不足の現状について、全体像を整理しながら見ていきます。

生産年齢人口の減少という構造的問題

日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年の約8,716万人をピークに減少を続けており、2025年には約7,170万人にまで落ち込むと推計されています。

総務省の「令和6年版高齢社会白書」によれば、2023年時点で生産年齢人口は7,395万人と総人口の59.5%となっています。

この生産年齢人口の減少は、あらゆる業界に人材確保の困難をもたらしています。

特に労働集約型の産業では、必要な労働力を確保できないことが事業継続の大きな障壁となっています。

2025年問題・2024年問題の影響

2025年問題とは、団塊の世代(1947年~1949年生まれ)がすべて75歳以上の後期高齢者になることで生じる社会的な問題の総称です。

国民の5人に1人が後期高齢者となり、医療・介護の需要が急増する一方で、それを支える現役世代が減少するという構造的な問題が顕在化します。

また、2024年4月からは建設業や運輸業などで「時間外労働の上限規制」が適用され、これまで長時間労働で人手不足を補っていた業界では深刻な労働力不足が発生しています。

これがいわゆる「2024年問題」です。

人材不足が深刻な業界ランキング【2025年最新】

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帝国データバンクが2025年1月に発表した調査に基づき、正社員の人手不足割合が高い業界をランキング形式で紹介します。

第1位:情報サービス業

IT業界は最も深刻な人材不足に直面しています。

経済産業省の試算によると、IT人材は2030年には最大で約79万人が不足すると予測されています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速により、従来のIT企業だけでなく、製造業、金融業、小売業などあらゆる業界でIT人材の需要が高まっています。

特に不足しているのは、AI、クラウド、サイバーセキュリティ、データサイエンスなどの先端分野を担える人材です。

これらのスキルを持つ人材は希少性が高く、年収1,000万円を超える条件も珍しくありません。

IT人材不足の背景には、以下のような要因があります。

・DX推進による需要の急増
・技術の進歩が速く、求められるスキルが常に変化する
・ITスキルと業界固有の専門知識を併せ持つ人材の不足
・IT企業だけでなく、あらゆる業界でのIT人材の争奪戦

「2025年の崖」と呼ばれる問題も深刻です。

多くの日本企業が抱える老朽化したITシステム(レガシーシステム)により、システムの保守や運用が困難になり、DXが進まない場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性が指摘されています。

第2位:建設業

建設業界では、就業者の約35.9%が55歳以上である一方、29歳以下の若手人材は11.7%にとどまり、高齢化と若手不足が顕著です。

国土交通省のデータによると、建設業就業者数はピーク時(1997年)の685万人から2024年には約479万人へと約30%も減少しています。

2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されたことで、これまで長時間労働で対応してきた工期への影響が懸念されています。

2025年における建設技能労働者の需給ギャップは47~93万人と試算されており、インフラの老朽化対策や防災・減災工事の需要増加に対応できなくなる恐れがあります。

建設業の人材不足の主な原因は以下の通りです。

・3K(きつい、汚い、危険)のイメージが根強い
・休日が取りづらい労働環境
・若手人材の入職者減少と高齢者の大量退職
・技術、技能の継承が困難

第3位:メンテナンス・警備・検査業

施設管理やビルメンテナンス、警備サービスなどを担うこの業界も深刻な人手不足に陥っています。

24時間体制の業務や夜勤シフトなど、労働時間の不規則さが若手人材の参入障壁となっています。

また、技術者の高齢化が進んでおり、設備の維持管理に必要な専門知識を持つ人材の確保が困難になっています。

第4位:運輸・倉庫業

物流業界では、ECサイトの急成長により配送需要が増加する一方で、ドライバーの高齢化と若手人材の不足が深刻です。

2030年におけるドライバーの需給ギャップは8.6万人と推計されています。

2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(年間960時間)により、これまでの働き方では物流の約3割が輸送できなくなる可能性があると指摘されています。

長距離運転や過重労働といった厳しい勤務条件も、人材確保を困難にしている要因です。

第5位:医療・介護業界

医療・介護業界の人材不足は、高齢化社会において最も深刻な問題の一つです。

厚生労働省の推計によると、2026年度に必要な介護職員は約240万人ですが、2022年度の職員数は約215万人で、約25万人が不足しています。

さらに、2040年度には約272万人が必要となり、不足数は約57万人に拡大する見込みです。

介護業界の有効求人倍率は4.25と非常に高く、特に訪問介護分野では15.53倍(2022年度)と過去最高を記録しています。

介護人材が不足する主な要因としては、身体的・精神的な負担の大きさ、給与水準の低さ、キャリアパスの不明確さなどが挙げられます。

人材不足の根本的な原因

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人材不足は単なる採用活動の問題ではなく、日本社会全体が抱える構造的な課題です。

なぜ多くの企業で人手不足が起きているのか、その根本的な原因を見ていきましょう。

少子高齢化による労働力人口の減少

日本の人材不足問題の根本には、少子高齢化という構造的な問題があります。

出生率の低下により若年層の労働力が減少する一方、寿命の延びにより高齢者の割合が増加しています。

2040年には85歳以上人口を中心とした高齢化がさらに進行し、生産年齢人口は大幅に減少すると予測されています。

この傾向は今後も続くため、人材確保の困難さは一時的なものではなく、長期的な課題として取り組む必要があります。

業界特有の労働環境の問題

建設業や運輸業などでは、長時間労働や休日の少なさが常態化しており、若い世代から敬遠される傾向があります。

また、介護業界では身体的・精神的な負担の大きさに対して給与水準が低いことが、人材流出の大きな要因となっています。

デジタル化への対応の遅れ

IT人材不足の背景には、日本企業のDX推進の遅れがあります。

情報処理推進機構(IPA)の調査によると、DXの取り組みを担う人材の不足は一層深刻化しており、状況は改善していないといいます。

多くの企業が老朽化したレガシーシステムを抱えており、その保守運用に人材が取られる一方で、新しい技術への投資や人材育成が後手に回っています。

企業が取るべき人材不足対策

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人材不足を放置すれば、事業の成長や継続に大きな影響を及ぼします。

こうした状況を踏まえ、企業が今すぐ取り組むべき人材不足対策を紹介します。

労働環境・処遇の改善

人材を確保し定着させるためには、給与水準の引き上げや福利厚生の充実が不可欠です。

帝国データバンクの調査では、賃上げ余力を有しない中小企業では人材の確保・定着に向けて一層厳しい局面になると指摘されています。

大企業では初任給30万円時代と言われる中、中小企業も競争力のある給与体系への見直しが求められています。

また、週休2日制の導入や有給休暇の取得促進など、ワークライフバランスの改善も重要です。

DX推進による業務効率化

人手不足を補うためには、デジタル技術を活用した業務効率化が有効です。

建設業ではドローンやBIM(Building Information Modeling)の導入、物流業界ではAI自動配車システムの活用、介護業界では見守りセンサーやICT機器の導入などが進められています。

DXにより従業員一人あたりの生産性を向上させることで、少ない人数でも業務を遂行できる体制を構築することが重要です。

多様な人材の活用

労働力人口が減少する中で、これまで十分に活用されてこなかった人材層への注目が高まっています。

女性の活躍推進:国土交通省は建設業における女性の定着促進に取り組んでおり、男性中心だった職場環境の改善が進められています
高齢者の活用:経験豊富なシニア人材の再雇用や継続雇用により、技術・技能の継承と即戦力の確保が可能です
外国人材の受け入れ:特定技能制度を活用した外国人労働者の受け入れが建設業や介護業界で進んでいます

人材育成・リスキリングの強化

既存社員のスキルアップや新たなスキル習得(リスキリング)を支援することで、人材不足に対応する企業も増えています。

特にIT分野では、社内のIT人材を育成することで、外部からの採用に頼らない体制を構築する動きがあります。

経済産業省では、AIやIoT、データサイエンスなどの先端技術に関するリスキリングを全社員対象で取り組むことが望ましいと発信しています。

アウトソーシング・外部リソースの活用

自社で人材を確保することが困難な場合、業務の一部をアウトソーシングすることも有効な選択肢です。

調査によると、IT人材不足の解決策として41.9%の企業がアウトソーシングを選択しています。

専門企業への業務委託により、リソースの効率化、退職リスクの軽減、属人化の解消が可能となります。

まとめ

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日本の人材不足は、少子高齢化という構造的な問題に起因しており、今後も長期にわたって続くことが予想されます。

特に情報サービス業、建設業、医療・介護業界などでは深刻な状況が続いており、早急な対策が求められています。

企業が人材不足を乗り越えるためには、以下の取り組みが重要です。

1.給料・労働条件の改善による人材の確保・定着
2.DX推進による業務効率化と生産性向上
3.女性・高齢者・外国人など多様な人材の積極的な活用
4.社員教育・リスキリングへの投資
5.アウトソーシングなど外部リソースの戦略的活用

人材不足は単なる採用の問題ではなく、企業の成長戦略そのものを左右する重大な経営課題です。

中長期的な視点で人材確保・育成に取り組み、持続可能な事業運営を実現することが、これからの企業に求められています。

労働人口の減少が避けられない中で、限られた人材を最大限に活かし、生産性を高める取り組みを進めることが、日本企業の競争力維持と持続的な成長の鍵となるでしょう。

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