休んだら収入ゼロ」と思い込んでいませんか?
実は、あなたが毎月払っている社会保険には、休職中の生活を支える給付金が用意されています。
この記事では、給付金の種類・使える条件・申請の流れを、専門用語を使わずに解説します。
最後には、自分専用の「使える給付金メモ」の作り方もご紹介。
いざというときに慌てない準備を、今日から始めましょう。
休職すると収入ゼロ?そう思っている人のための解決策

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「体調を崩して休んだら、給料がもらえない…」そう不安に思っていませんか?
「退職したら、次の仕事が見つかるまで貯金を切り崩すしかない」と考えている方も多いですよね。
実は多くの方が、同じような心配を抱えています。
メンタルの不調を感じながらも、「休んだら収入がなくなる」という恐怖で無理を続けてしまう。
我慢の限界まで働いて、結局体調を崩してしまうケースは少なくありません。
でも、ここで知っておいてほしいことがあります。
あなたが毎月給料から引かれている「社会保険料」には、こうした状況を支える仕組みがすでに用意されているんです。
知らないだけで、使える制度はあなたの目の前にあります。
この記事を読めば「自分が使える給付金」が分かります。
まずは、どんな制度があるのかを一緒に見ていきましょう。
社会保険給付金について

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「給付金」という言葉を聞いたことはあるけれど、正直よく分からない。
そんな方も多いですよね。
まずは、似たような言葉の違いを整理しましょう。
社会保険給付金
・国の制度から支給されるお金のこと
・健康保険や雇用保険といった、会社員が加入している保険から受け取れる
・代表例:傷病手当金、失業保険、育児休業給付金
手当金
・給付金の一種
・「○○手当金」という名前で呼ばれることが多い
・例:傷病手当金
保険金
・民間の保険会社から支給されるお金
・生命保険や医療保険に加入していると受け取れる
・社会保険とは別物
大事なポイントは2つあります。
1つ目は、社会保険給付金は、毎月給料から天引きされている「社会保険料」を払っていれば使える権利です。
ただし、自動では振り込まれません。
申請しないともらえないので、知っておくことが何より大切です。
2つ目は、社会保険給付金の対象は、主に会社員です。
正社員だけでなく、契約社員やパートの方も含まれます。
ただし、自営業やフリーランスの方は、国民健康保険や国民年金に加入しているため、使える制度が少し異なります。
この記事では、会社員の方を対象にお話ししていきます。
会社員が使える代表的な給付金3つ

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ここからは、会社員が実際に使える給付金を3つご紹介します。
それぞれ「どんなときに使えるのか」「いくらもらえるのか」を具体的に見ていきましょう。
傷病手当金(病気・ケガで休んだとき)
傷病手当金は、病気やケガで会社を休んで、給料が出ない(または減った)ときに使える制度です。
【どんなときに使える?】
・うつ病で休職したとき
・骨折で入院したとき
・がん治療で長期療養が必要になったとき
体調不良で働けないとき、生活費の心配を減らせる仕組みです。
【もらえる金額の目安】
・月給の約3分の2(正確には「標準報酬日額の3分の2」)
・計算例:月給30万円の方 → 1日あたり約6,700円
・実際の支給額:1日あたりの金額 × 休んだ日数
【もらえる期間】
・最長1年6ヶ月(同じ病気やケガに対して)
注意点:途中で職場復帰しても、同じ病気で再び休んだ場合は、合計で1年6ヶ月までカウントされる
【具体例】
月給28万円のBさんが、うつ病で3ヶ月休職したとします。
計算式の内訳
①1日あたりの金額を計算:28万円 ÷ 30日 = 約9,333円
②その3分の2を計算:9,333円 × 2/3 = 約6,222円(1日あたりの傷病手当金)
③3ヶ月分を計算:6,222円 × 90日 =約56万円
この場合、約56万円を受け取れる計算になります。
完全に収入ゼロではなく、生活費の多くをカバーできるのは心強いですよね。
失業保険(退職後の生活費)
失業保険は、会社を退職して、次の仕事を探している間に使える制度です。
正式には「雇用保険の基本手当」と呼ばれています。
【退職の種類による違い】
・自己都合退職:給付開始まで少し時間がかかる
・会社都合退職:比較的早く給付が始まる
【もらえる金額の目安】
・退職前6ヶ月の給料の約50〜80%
・計算例:月給25万円の方 → 月に約13〜16万円程度
・年齢や勤続年数によって変わる
【もらえる期間】
・勤続年数や退職理由によって90日〜330日まで幅がある
・長く働いていた方ほど、長い期間もらえる仕組み
【具体例 】
勤続5年で自己都合退職したCさんの場合
計算式の内訳
①1日あたりの給料を出す:25万円 ÷ 30日 = 約8,333円
②その約60%を計算:8,333円 × 60% = 約5,000円(1日あたりの基本手当)
③1ヶ月分を計算:5,000円 × 30日 = 約15万円
この場合、3ヶ月間、月15万円程度を受け取れます。
この間に次の仕事を探せるので、焦らず転職活動ができます。
育児休業給付金(育休中の収入)
育児休業給付金は、育児休業を取得したときに使える制度です。
男女問わず、条件を満たせば誰でも受け取れます。
【もらえる金額の目安】
・最初の180日間:月給の67%
・181日目以降:月給の50%
・計算例:月給30万円の方 → 最初の半年は約20万円、それ以降は約15万円が毎月支給
【もらえる期間】
・原則:子どもが1歳になるまで
・延長:保育園に入れないなどの条件を満たせば、最長2歳まで延長可能
【具体例】
月給30万円のDさんが1年間育休を取った場合
計算式の内訳
①1日あたりの金額を出す:30万円 ÷ 30日 = 10,000円
②最初の180日間(約6ヶ月)を計算:
・10,000円 × 67% = 6,700円(1日あたり)
・6,700円 × 180日 = 約120.6万円
③181日目以降の180日間(約6ヶ月)を計算:
・10,000円 × 50% = 5,000円(1日あたり)
・5,000円 × 180日 = 90万円
合計:120.6万円 + 90万円 = 約210.6万円
合計で約312万円を受け取れる計算です。
育児に専念できる環境を、給付金がサポートしてくれるんです。
あなたが使える給付金を見つける3つのチェックポイント

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「自分が使えるか分からない…」そんな方のために、3つの質問に答えるだけで判断できるチェックポイントを用意しました。
順番に確認していきましょう。
保険証の種類を見る
まずは、手元の健康保険証を確認してください。
健康保険証の表面の見方は、下記の通りです。
・「○○健康保険組合」「全国健康保険協会(協会けんぽ)」→ 傷病手当金の対象
・「国民健康保険」→傷病手当金の対象外
保険証を見るだけで、最初の大きな判断ができます。
今すぐ財布から取り出して、確認してみてください。
働いた期間を思い出す
次に、直近の会社で何ヶ月働いたかを思い出してください。
給付金ごとに、必要な雇用保険の加入期間が決まっています。
・傷病手当金:雇用保険に1年以上加入(条件によっては1年未満で給付可能)
・失業保険:退職前2年間で雇用保険に12ヶ月以上加入
・育児休業給付金:育休開始前2年間で12ヶ月以上加入
たとえば、入社3ヶ月で病気になった場合、傷病手当金は条件次第です。
会社の人事部に確認してみましょう。
勤続2年で退職するなら、失業保険は問題なく受給できます。
休む理由と期間を整理する
最後に、「なぜ休むのか」「いつからいつまで休むのか」を整理しましょう。
これによって、どの給付金が使えるかが決まります。
病気やケガで休む場合は、傷病手当金を検討します。
退職して求職中なら、失業保険が対象です。
育児で休むなら、育児休業給付金を申請できます。
注意点が1つあります。
複数の給付金を同時にもらうことは、基本的にできません。
たとえば、傷病手当金をもらっている間は、失業保険は受給できないルールになっています。
自分の状況に合った給付金を選ぶことが、スムーズな申請につながります。
実際の申請方法と手続きの流れ

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ここからは、給付金ごとの「申請の流れ」を具体的にお伝えします。
難しそうに見えますが、実際は書類を集めて提出するだけです。
一歩ずつ進めていきましょう。
傷病手当金の場合
① 会社の人事部に連絡する
「休職を考えています。傷病手当金の申請について教えてください」と伝えましょう。
人事部が申請書を郵送してくれます。
② 医師に診断書を書いてもらう
通院している病院で「傷病手当金の意見書をお願いします」と伝えれば、対応してもらえます。
費用は病院によりますが、3,000円から5,000円程度が一般的です。
③ 申請書を記入して提出する
申請書には、自分で書く欄と、会社が書く欄があります。
・あなたが記入する欄:氏名、振込口座、休んだ期間など
・会社が記入する欄:給料の支払い状況など
記入が終わったら、会社の人事部に提出します。
人事部が、あなたに代わって健康保険組合へ提出してくれる流れです。
④ 入金を待つ
申請から約1〜2ヶ月で入金されます。
・入金例:1月1日に休職開始 → 1月15日に申請書提出 → 3月10日頃に初回入金
少し時間がかかりますが、必ず振り込まれるので安心してください。
失業保険の場合
① 離職票を受け取る
退職後、会社から「離職票」が郵送されてきます。
だいたい退職後10日前後で届きます。
② ハローワークで求職申込をする
最寄りのハローワークへ行き、離職票と身分証明書を持参しましょう。
「求職申込書」という書類に記入します。
③ 待機期間(7日間)
申込日から7日間は「待機期間」と呼ばれ、この間は給付金は出ません。
全員に適用されるルールです。
④ 雇用保険説明会に参加する
ハローワークが指定する日に、説明会へ参加する必要があります。
約2時間の説明会で、受給の仕組みを教えてもらえます。
⑤ 認定日にハローワークへ行く
4週間に1回、ハローワークで「求職活動の報告」をします。
この認定を受けた約1週間後に、指定口座へ振り込まれます。
【注意】自己都合退職の場合
待機期間7日に加えて、給付制限2ヶ月が必要です。
つまり、合計で約2ヶ月半後から給付が始まる計算になります。
会社都合退職なら、給付制限はありません。
育児休業給付金の場合
① 会社に育休の申請をする
産休・育休の開始日を、会社の人事部に伝えましょう。
② 申請書を記入する
多くの場合、会社が申請書を用意してくれます。
あなたが記入するのは、氏名や振込口座などの基本情報だけです。
③ 会社経由でハローワークに提出される
会社がまとめて手続きしてくれることが多いので、個人で動く手間は少ないです。
④ 入金を待つ
育休開始から約2〜3ヶ月後に初回入金があります。
初回の入金があったあとは、2ヶ月ごとに支給される仕組みになっています。
【注意点】育休中に退職すると、途中で給付が止まる場合があります。
育休後に復帰する予定があることが、受給の条件です。
今日から始める「使える給付金メモ」の作り方

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ここまで読んで、頭の中が整理できてきたでしょうか?
でも、いざというとき「あれ、何だったっけ?」と忘れてしまうこともありますよね。
そこでおすすめしたいのが、自分専用の「給付金メモ」を作ることです。
5分でできる簡単な作業なので、今日やってみましょう。
【メモの作り方】
はじめに
スマホのメモアプリを開いて、「給付金メモ」というタイトルで新規メモを作ってください。
① 保険証の種類を書く
「協会けんぽ」なのか「○○健康保険組合」なのかを記録します。
これで傷病手当金が使えるかが分かります。
② 入社日を書く
「2022年4月入社」のように記録します。
勤続年数がすぐに計算でき、失業保険や育児休業給付金の条件を満たしているか判断できます。
③ 雇用保険の加入状況を書く
直近の給与明細を見て、「雇用保険」の項目があるか確認します。
給与から雇用保険が引かれていれば加入している証拠になります。
④ 会社の人事部の連絡先を書く
電話番号や内線番号をメモします。
いざというときすぐに相談することができます。
⑤ かかりつけ医の情報を書く
通院しているクリニックや病院の名前、担当医の名前を記録します。
これをしておくことで、傷病手当金の申請がスムーズになります。
メモの記入例
【私の給付金メモ】
① 保険証:協会けんぽ(傷病手当金 使える○)
② 入社日:2022年4月 → 勤続2年10ヶ月
③ 雇用保険:加入している(給与明細で確認済み)
④ 人事部:03-xxxx-xxxx(内線123)
⑤ かかりつけ医:△△クリニック(Dr.山田)
このメモがあれば、いざというとき慌てずに手続きを始められます。
家族にも共有しておくと、さらに安心ですね。
【まとめ】社会保険給付金を知っておけば、いざというとき安心

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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
社会保険給付金について、少しでもイメージが湧いたでしょうか?
社会保険給付金は、毎月払っている保険料で守られている「あなたの権利」です。
傷病手当金、失業保険、育児休業給付金の3つが代表的で、それぞれ使える条件や申請方法が異なります。
申請しないともらえないからこそ、事前に条件と手続きを知っておくことが大切です。
知っているだけで、心の余裕が全然違います。
最後に、今日やってほしいことをお伝えします。
今すぐできるアクションを1つだけやってみましょう。
財布から健康保険証を取り出してください。
「○○健康保険組合」または「協会けんぽ」と書いてあるか確認します。
書いてあれば、スマホで写真を撮って保存しましょう。
次に、直近の給与明細を1枚確認してください。「雇用保険」の項目があるかチェックします。
この2つを確認できたら、あなたは社会保険給付金を使える可能性が高いです。
あとは、必要になったときにこの記事を見返してください。
困ったときは、会社の人事部に「傷病手当金について教えてください」と一言伝えるだけで大丈夫です。
あなたが安心して働ける環境を、給付金が支えてくれます。

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