幼児教育という言葉をみなさんは聞いたことがありますか?
お子さんがいる家庭や、幼稚園教諭・保育士を目指している方たちは、よく耳にする言葉なのではないでしょうか?
この記事では、幼児教育とは何なのか特徴や目的など、わかりやすく紹介していきます。
最後までご覧ください。

参照:写真AC
幼児教育とは何か

参照:写真AC
幼児教育とは、0歳から6歳までの小学校入学前の幼児に、人として心豊かにたくましく生きるための『人間形成の基礎』を培う教育のことです。
幼児が生活する全ての環境が幼児教育の場所と言われ、家庭や保育園・幼稚園・地域社会があります。
幼児教育は何歳から始めるのか

参照:写真AC
幼児教育のスタートは一般的に、3歳からと言われていますが、0歳から始めることも可能です。
3歳から脳の波多津がピークを迎えるので、この時期から始めることで脳の発達を促進して、将来の能力を促すことが可能です。
幼児教育の種類

参照:写真AC
幼児教育はさまざまな種類があり、それぞれが子どもの発達段階や、特徴にあった教育を提供しています。
ここからは外国発の幼児教育と、日本発の幼児教育について、代表的な幼児教育の種類や目的・理念などを、1つずつわかりやすく紹介していきます。
外国発幼児教育
シュタイナー教育
オーストラリアの哲学者である、ルドルフ・シュタイナーによって開発された教育法。
1919年に、ドイツのたばこ工場で働く労働者の子ども達のために設立されたのが、最初の学校と言われています。
目的や理念
シュタイナー教育では、「こころ」「からだ」「あたま」のバランスを取ることを重要視していて、学力の向上ではなく、人間形成を大切にしているようです。
自由な生き方をする人間を育てることが目的とされています。
特徴
0歳~6歳の期間は「からだ」を動かして、意志を育む期間とされています。
手足をたくさん動かすことを重視したり、自然の素材で作ったおもちゃを使ったりするという特徴があります。
また、正しい生活リズムも大切にしているようです。
心の教育も重視されているので、オイルトミューやフォルメンと呼ばれる、芸術的な活動が豊富と言われています。
シュタイナー教育は年代に合わせて教育内容を変えることで、全体のバランスが取れた人間を育成できるとし、人間の成長を6年ずつ3つの成長過程に分類し、発達段階に合わせて教育を行っています。
モンテッソーリ教育
医師であり教育家だった、イタリアのマリア・モンテッソーリ博士が考えた教育法で、100年以上経った今でも140以上の国でモンテッソーリ教育を実施していると言われています。
目的や理念
モンテッソーリ教育は、3つの特徴を持つ人間を育てることを目的としています。
・自立していて有能である
・責任感と他人への思いやりがある
・生涯学び続ける姿勢を持っている
この目的を達成するため、子どもの発達段階ごとに独特な体系を持つ教具が開発され、教育が確立されていきました。
特徴
「子どもには、自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考えが前提とされていて、子ども達の自発的な活動の繰り返しによる成長を大切にしています。
そのため、子どもが自分自身での力を思う存分発揮できる適切な環境を整え、子ども達の自発的で自由な活動を促す役割を、大人は持っています。
モンテッソーリの具体的な教育法は、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」の5つです。
日本発幼児教育
ヨコミネ式教育法
ヨコミネ式教育法は、横峯吉文さんが提唱した教育法で、長年にわたり保育運営をする中で生み出され、実践に基づいた教育法です。
目的や理念
「すべての子どもが天才である」
「すべての子どもが天命をうけてこの世に生まれてきたのだから、その天命を最大限に発揮させたい」
このような理念に基づき、子ども達が「自ら考え、自ら判断し、自ら行動・実践すること」を目的としています。
特徴
子どもたちの自立を助ける手法として、以下の4つのスイッチが重視されています。
・競争したがる
・真似したがる
・すこし難しいことをしたがる
・認められたがる
これらの性質を意識することで、子ども達のやる気を引き出します。
日本の幼児教育の現状と問題点

参照:写真AC
近年の少子化や核家族化などの影響で、日本の子育て環境は昔と比べて変化しました。
現代では、家庭と地域の教育の質の低下が問題視されています。
家庭教育の質の低下
女性の社会進出が進み、共働き家庭が増加傾向にありますが、それにより家庭で子どもと過ごす時間も少なくなっていると言えます。
それに伴い、幼稚園の預かり保育や保育園の利用も増え、親の育児を園が担っている状況も珍しくありません。
幼児期に両親から愛情をたっぷり受け、親子の信頼関係を築くことは、子どもの社会性を育むために重要だとされています。
そのため、園で過ごす時間が長くなったことで、子どもの情緒の発達に影響が出る可能性を指摘する声が上がっていることは確かです。
共働き家庭などは、なかなか時間を作ることが難しいのかもしれませんが、短時間でもこまめに子どもとのコミュニケーションをとる時間を作り、愛情を伝えることが大切です。
地域教育の質の低下
地域の子どもの人数の減少や、ゲームなどの室内で遊べるおもちゃが広まり、近所の子ども達が集まって遊ぶことが少なく、地域の繋がりも薄くなっていると言われています。
昔の日本では、地域全体で子どもを育てている認識が強く、子育ての不安を相談したり、手助けをしてもらったりすることも多かったと言います。
しかし最近では、近所の子ども達に声をかけることも「不審者だと思われるのでは」と、ためらってしまう人も少なくありません。
そうして子どもが地域の人と関わる機会が減ることで、社会性などが身に付きづらくなっているのでしょう。
また「孤育て」という言葉も広まり、孤立した状況で育児を行っている家庭が増えていることも、幼児教育の問題点の1つです。
家庭・地域・国の孤立化
幼児教育では、家庭・地域・国が連携して行うのが望ましいと言われていますが、現代日本ではそれぞれが孤立化している傾向があると言われています。
家庭・地域・国に教育現場が協力して、子育てを行う環境を整えることが、日本の幼児教育では求められています。
日本の幼児教育の特徴
日本の幼児教育の特徴として、主に7つが挙げられています。
1.子どもの主体的な遊びや活動を重視している。
2.保育者が子どもの遊びと生活を指導するとともに、自発性を引き出し、自立を促す。
3認知能力と非認知能力の両方の発達を重視し、子ども達の心の安定を図る。
4.具体的な教育方法は現場の保育者に委ねられている。
保育者は好き勝手に保育をするということではなく、計画(Plan)、実践(Do)、評価(Check)、対応や改善(Act)を踏まえた教育となっています。
5.幼児教育の研究と実践が深く結びついている。
6.幼児教育の現場に近い人や現場の経験者が行政と指導者となっている。
7.民間企業が充実している。
私立幼稚園も多く、民間企業が提供する幼児向け商品やサービス、教材などが豊富にあります。
幼児教育の五領域

参照:写真AC
保育活動を行う上で基盤となる重要な枠組みが、五領域です。
ここでは保育所保育指針における五領域の内容を、1つ1つわかりやすくご紹介していきます。
健康
健康は、「健康な心と体を育て、自ら健康で安全なせいかつをつくり出す力を養うこと」を目的としています。
子どもの心と体が密接に関連していることを理解し、発育を促す環境づくりが求められます。
温かい触れ合いを通じて子どもが体を動かす意欲を育てるために、発達に合わせた運動の機会を用意しましょう。
人間関係
人間関係では、「周りの人と支え合って生活するために、自立心や人と関わる力を養うこと」を目的としています。
この時期の子どもは感情が揺れ動きやすく、不安や不満を表に出すことに対して受容的に向き合い、感情の整理や立ち直りをサポートすることが必要です。
また、自己と他者の違いを認識し始める時期でもあるため、友達の関わり方を保育士が間に入って丁寧に伝えます。
自分の気持ちを表現する力や、他者の気持ちに気づく力を養うには、現場での具体的な支援が欠かせません。
環境
環境では、「子どもがさまざまな環境に好奇心や探求心を持って関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養うこと」を目的としています。
身近な生き物との関わりでは、子どもが命を感じとる体験ができるよう配慮します。例えば、観察やお世話を通じて、生命の尊さや自然への興味を育てることができます。
また。保育所内外での行事や地域の人々との交流を通じて、子ども達は多様な価値観や社会の一員としての意識を育んでいきます。
言葉
言葉では、「思いを言葉で表現する力や、相手の話を聞く意欲、言葉に対する感覚を養うこと」を目的としています。
身近な大人との楽しいやり取りを通じて、子どもは自分の感情や思いを伝え、それに応じてもらうことで言葉を習得していきます。
この時期は言葉の習得が急速に進むため、子どもの発達状況に応じた遊びやごっこ遊びを工夫し、自然に言葉を身に着けられる環境を整えましょう。
表現
表現では、「子どもが自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養うこと」を目的としています。
子どもの表現は個性や感性が反映されるため、積極的に受け止め、多様な表現方法を試せる環境を整えましょう。
自然や物周りのものに触れる中での発見や、感動を楽しむための素材や遊びを用意し、子どもの感性や想像力を引き出す保育を心掛けられるといいですね。
まとめ
幼児教育にはいろいろな種類があり、それぞれに特徴や教育内容に違いがあるので、保育施設で採用されている教育法も異なります。
全ての教育法が子どものことを思い、健やかに育てるために確立されたもので、それぞれに特徴や傾向がありますが、優劣はありません。
学校や幼児教室だけでなく、各家庭や地域で学ぶ生活全般の知識や能力も含まれるため、その環境を整えることが、両親の務めということも理解できたかと思います。
正しい心構えを整えてあげるようにしましょう。


コメント